2024年11月20日、YouTubeチャンネル『FFXIV_MOBILE』から「『ファイナルファンタジーXIV モバイル』世界初公開」という動画が公開されました。同時にトレーラーも公開され、その翌日に吉田直樹氏への公式インタビューが公開されています。PLLと比べると約14分という短い動画ですがXIVモバイルに関する情報は多く、光の戦士たちからの注目を一斉に浴びています。
> 公式HP( https://ffxivmobile.com/web202409/index.html#/ )
はじめに
この記事を読むとわかること
- FF14モバイルの基本情報
- 開発会社について
- XIVモバイルで注目すべき点
- 初公開後の展望
- ヒカセンたちの反応
ヒカセンたちの不安点
FF14モバイル(以下XIVモバイル)について、SNSでヒカセンの不安の声を拾ってきました。概要を確認する前にまずはこちらを確認していきましょう。
必要がなければ、目次から【基本情報と特徴】に飛んでください:)
青天の霹靂
原作であるFF14(以下FF14)の性質上、長い間モバイル版の実装は難しいだろうと思われていました。FF14P/Dの吉田直樹氏ですら、モバイル版に関しては諦めムードだったようです。そんな中での発表により界隈はざわつくことに。
とはいえ歓喜の声でざわついている…わけではなく、後述するこれまでのスクエニ社のソーシャルゲームに対して否定的な意見が多いためXIVモバイルに対しても厳しい意見が多く見受けられました。
スクエニ社の実績に懐疑的
普段からスマホゲームを中心に遊んでいるプレイヤーならご存じだとは思いますが、スクエニ社はデジタルエンタテインメント事業においてMMO・HDゲームの実績は高いものの、スマホゲームの実績は芳しいとは言えません。
多くのタイトルを生み出してはいますがその大半が1年~2年の間にサービス終了しています。現在まで残っているのは15本程度であり、その中にファイナルファンタジーの名を冠しているものも含まれているのです。
となるとスクエニファンとしては「大丈夫なのかコレ…?」と思わざるを得ないというのもわかる話で、大きな期待が寄せられている、とは言いずらいでしょう。
【参考資料】
スクウェア・エニックス・グループ IR情報
プレイ環境やコンテンツのボリュームに疑問
現実的な問題として、XIVモバイルにはいくつかの問題を抱えています。コンテンツのボリューム、動作マシンとパフォーマンスの関係、マネタイズなど…こういった問題は正式オープンまでに解決しなければ現役ヒカセンたちを納得させ、XIVモバイルにも呼び込むといったことは不可能だと言えます。
FF14は膨大なコンテンツを持ちデータ容量も大きく、XIVモバイルについても要求されるマシンスペックがなかなかに高そうです。
PC版との関係
また、ヒカセンたちが気になるのはFF14とXIVモバイルとの関係です。現役のプレイヤーたちがモバイルに求めているのは出先にいながらもスキマ時間で素材採集をしたり、リテイナーに再依頼したりといった戦闘以外の補助的な使い方だと思われます。そうでないのであれば、XIVモバイルにあまり時間をかけられないとして集客はあまり見込めません。時間があったらXIVモバイルじゃなくてFF14をやるよ!そんな意見も多く見られました。
個人的な意見としてはやはりスペックの制限を考えれば、クロスプレイは望めないと思います。コンパニオンの延長として使えればとても嬉しいですが、モバイル版へのフルリメイクということで舞台は同じエオルゼアでありながらも全く別の世界と考えた方が良さそうです。また、時間があるならXIVモバイルじゃなくてFF14をやるよ!という意見からもわかるように、プレイ環境がすでにあるプレイヤーはあまり興味をそそられないかもしれません。
もちろんそういったプレイヤーは基本片手間にプレイしとくか~なスタンスではあると思いますが、別にモバイルじゃなくてもいいかなっていうところから定着は難しいでしょうね~
XIVモバイルへの期待
とはいえ否定的な意見ばかりでもなく、ストーリーだけが気になるプレイヤー、ギャザクラやプレイヤーイベントでまったり遊びたいプレイヤーなどからは「やってみようかな」という声も上がっています。
私個人としても前述した不安はありながらもXIVモバイルには少し期待しています。というのも継続してやれるかどうかわからないゲームのためにプレイ環境を用意できない、暇つぶしで遊べたらいいといった友人に対してXIVモバイルだと基本無料(だと思われる)なので勧めやすいです。そういったところからFF14以外のコミュニティが発生することも当然考えられるので、あってもよいかなと思います。
ただし、今までサブスクリプションベースで築き上げられてきたFF14の世界観が、基本無料によるプレイヤー層の爆発的な流動によって変化してしまう危険性はあります。アカウントの売買、業者による市場操作、荒らし・迷惑行為なんかも今以上に横行するでしょう。
そうやって増えていったトラブルをはたしてFF14通りに対応していけるでしょうか?
今だと悪質な迷惑行為などを行ったと見なされるとGMからゲーム内にて呼び出しがあります。いわゆる監獄といったシステムですが、対応件数が増えればそれも難しくなるでしょう。XIVモバイルでそのシステムが継承されるかは定かではありませんが…
ファイナルファンタジー14モバイルについて
XIVモバイルとは?
『ファイナルファンタジーXIV モバイル』は、株式会社スクウェア・エニックスが監修し、LightSpeed Studios(以下LIGHTSPEED)によって開発されているモバイルデバイス向けMMORPGです。2024年8月には開発チームを置いている中国にて配信許可を取得しており、いくつかの地域でのテスト、そして中国本土でのサービス開始…フィードバックを基に調整されたあとグローバル展開されるとのことで、日本で配信されるのはもう少し先になります。
どのようなゲームになるのか
私たちと同じヒカセンである開発チームにより、原作への熱烈なリスペクトと再現を目標にしたゲームとなっています。
FF14と同じように、冒険をしたり、生活をしたり、温かなコミュニティに参加したりと第二の人生をテーマに開発されています。モデルの質感ひとつとっても原作に可能な限り寄せ違和感のないように作られているようで、トレーラーをみてもおかしく思う場所はありません。ストーリー、戦闘、音楽・グラフィック、調整すべてがしっかりと議論されモバイルデバイスに向け完全リメイクされました。
公式サイトなどを確認したところ、ギャザクラを始めとする生活系コンテンツの実装は一通りしているようで、ゴールドソーサー・ハウジング・出店なんかもあるようですね。となると当然戦闘系コンテンツもあり、スキルや操作感はモバイル用に一新され高難易度コンテンツまで実装されています。
LIGHTSPEEDという開発会社について
『LightSpeed Studios』は中国の大手IT企業『テンセント』の子会社で、アメリカ・中国・シンガポールなど10か国に開発チームを置く大手ゲーム開発スタジオです。元は中国にて『Quantum Studio』として2008年に設立されましたが、2022年5月に『LightSpeed Studios』として改名の発表が行われました。様々なプラットフォームやジャンルで開発しており、高度な技術力によりゲームAIや次世代のレンダリング技術、最先端のモーションキャプチャ技術などが活用されています。
50種以上のゲームを開発していますが、とりわけ輝かしい実績としてはPUBG MOBILE、PUBG MOBILE eスポーツシステム、Apex Legends Mobileなどが挙げられます。
『テンセント』は中国を代表する大手IT企業です。決済事業やSNS事業に力を入れており、中国のインターネット業界をけん引してきました。
XIVモバイルの特徴
ここまでざっくりとXIVについての情報を確認していきましたが、ここからは2024年11月22日に公開された開発チームからのコメントや吉田直樹氏への公式インタビュー、トレーラーなどを基にXIVの特徴をまとめていきます。
世界観の継承と再現
モバイル版になるということで気になるのは世界観はきちんと継承されるのかというところですが…その点に関しては開発チームも非常に力を入れているようでFF14開発チーム監修のもと、FF14をモバイル版で完全再現したいと明言しています。
開発チームも光の戦士たちらしく、原作のストーリー・音楽やグラフィック、戦闘、様々な視覚効果などに関してリスペクトしておりとても大切に思っています。実現できない箇所があるとしたら、それはマシンスペック的な制限によるものでしょう。
エオルゼアでの第二の人生
XIVモバイルの公式サイトにもあるように、XIVは第二の人生のようなプレイ体験を目指しています。
ただ、公式サイト・公式インタビューなどから受けた印象としてはよりカジュアルでゆったりと楽しむことを重視しているように思います。戦闘に関して言及している箇所はあまりなく、どちらかといえばエオルゼアでの生活に焦点を当てたゲームデザインとなっているようです。
カジュアルさに焦点をあてたデザインをしているのもあり、いわゆるルーレットのような日課は設けていないようです。あればやらなきゃ!という気にさせられるのでそういう意味では実装しないのは妥当ともいえます。ですが、そうなるとコンテンツのボリューム感がどうかなという不安点もありますね。
生活系コンテンツに興味がないプレイヤーも一定数いますから、そこはある程度戦闘系コンテンツを充実させないと人口低下に繋がりそうです。
原作をモバイル用にアレンジしたMMORPG
FF14といえばもとはPCゲーム・コンシューマーゲームですから、モバイルにするとなると当然最適化する必要があります。公式インタビューの中では「バーチャルスティックで動かす」といった発言がありましたから、基本的には横画面で動かすアプリとなりそうです。
もっとカジュアルにというところに焦点を当てるなら、縦横切り替えできるようになったりもするのでしょうか。
豊富なジョブと個性的な種族
FF14では豊富なジョブや個性的な種族が実装されています。XIVモバイルも同様ですが、ストーリーが2.0からになるのもありまずは限定的に実装されるようです。
公式サイトなどからは、ヒューラン・ルガディン・ララフェル・ミコッテ・エレゼンの5種族と戦士・ナイト・黒魔道士・吟遊詩人・竜騎士・モンク・召喚士・学者・白魔導士の9ジョブとギャザクラ11種が確認できました。プレイヤーはそれらの種族・ジョブから好みのキャラクターを得て冒険できるようになっています。
ストーリーが進むにつれロスガル・ヴィエラの2種族や、残りのジョブも実装されるでしょう。
『自分好みの分身を得ることで』という文言がキャラクリを指すのか、キャラクターが用意されておりそれらを使うことを指すのかが定かではないのですが、この辺はいずれ情報公開されるはず。
ソロでもみんなでも楽しめるデザイン
以前のFF14はソロだと遊びにくく、近年になってようやくコンテンツサポーターなどソロも楽しめるようなシステムを実装されました。XIVモバイルもそういった考え方は継承されるようで、ソロやパーティーなどプレイスタイルの強要をしないゲームデザインとなるようです。
様々な形で、プレイヤーが自分の意思によりコミュニティを形成していくことを開発チームは強く望んでいます。
ビジネスモデル
原作はサブスクリプションベースで運営されているものであり、XIVモバイルはどうなるの?というところはどんなプレイヤーも気になるところ。このことについて開発・運営チームも認識しており、基本無料にすることを考えているようです。
また、ソーシャルゲームでよくあるガチャである程度利益がでたら短期間でサービス終了、ということは考えておらず長く遊べるようなゲームデザインが考えられています。
そうなるとどこで利益を出すのか?というところになると思いますが、個人的には無難にアイテム課金になるのかなと思います。その中でやはりなんらかのガチャもあるでしょうし、FF14オンラインストアのようなアバター・マウント・冒険録のような有料アイテムが出るのかなと。
ここで注目すべきなのは、『ガチャで大儲けするつもりはなく』というところで、開発チームはガチャを出さないとは明言していません。むしろソーシャルゲームの主な収入源はそこになるでしょうから、当然石の課金、月額の石配布サービスなんかもあると思っています。
1つ間違えれば一気にユーザーを無くしかねないなかなかセンシティブな内容ですから、慎重に議論することでしょう。
FF14ならではの空気感
FF14はコミュニティが非常に盛り上がっているMMORPGです。XIVモバイルでも同様にコミュニティを盛り上げていきたいようで、若葉も歴戦の光の戦士も、いろんな人に思いやりがあり、またみな等しく楽しめる空気感を求めているようです。
第二の人生をテーマとしたXIVモバイルにも必要な空気感だと、私も思います。
ゲームは『スナック』な時代
以前ファミ通.comが公開した記事のなかに、国内のゲーム市場規模についてを扱ったものがあります。その記事によると国内ゲーム人口は2023年で5553万人、うちPCゲームユーザーが1445万人、アプリゲームユーザーは4355万人にもなります。もちろんその数値には複数のプラットフォームで遊んでいる人がいますから、単体で見るとどちらもそう多くありません。
しかしそういったことを加味しても断然ゲームアプリ市場が大きいことを考えると、XIVモバイルの理念のような「もっとカジュアルに」というゲームデザインの方が国内の多くのプレイヤーとマッチするともいえ、「XIVモバイルはFF14が新たなプレイヤー層を獲得する良い機会を作った」のでしょう。
腰を据えてプレイするというゲームデザインのFF14が「ゲームはスナック」な考え方の時代をどうやって生き抜くか、というのを考えた結果なんだろうなあなんて思ったりしました。今後の動向が気になるところですね:)